広告、エディトリアル、タイポグラフィと幅広く活躍したハーブ・ルバーリン。彼は他に類をみない個性的かつ画期的なフォント 「アヴァンギャルド・ゴシック」 を世に送り出し、グラフィックデザイン史に伝説的な名を残しました。今回の展覧会は彼が手がけた書籍やポスターに加え、彼がフォト・レタリング社、アーロン・バーンズとともに設立した Inter-national Typeface Corporation ( ITC )社のフォント見本帳とその季刊誌 「Upper & Lower Case (U&LC)」、 合計100冊以上の作品によって構成されます。
アルファベットを視覚的形態としてとらえながらも、文字そのものがもつ意味の重要性を問い続けたルバーリンのデザインワークは、四半世紀以上のときを経てもなお「アヴァンギャルド」に私たちを刺激し、知的に挑発し続けることでしょう。
□ ハーブ・ルバーリンについて
1918年、ニューヨーク生まれ。音楽家の両親に医者や弁護士の道を望まれながらも、学費が無料のクーパー・ユニオンに入学。1939年に同校を卒業後、 「よりスマートで、より優れたアーティスト」である同級生のシルビアと結婚。 代理店での広告デザインやアートディレクターを経て、1945年ニューヨークのサドラー・ヘネシー社に加わり副社長兼アートディレクターを務める。1964年、「広告にうんざりして」ハーブ・ルバーリン社を設立。1950年代から70年代にかけてのアメリカのグラフィックデザインは「ルバーリン調」とも言われ、ルバーリンのデザインが当時の広告、エディトリアル、パッケージ等の幅広い分野において一時代を築いた。特に60年代、『エロス』『アヴァンギャルド』『ファクト』各誌におけるセンセーショナルな誌面はアートディレクター兼デザイナーとしてルバーリンの名を世界に知らしめることとなった。1971年には東京デザイナー学院の招きで来日、東京と京都で講演した折りには原弘、田中一光らの姿も見られた。その10年後の1981年に没、享年63歳。
□ International Typeface Corporation (ITC)社について
ITC社は、ハーブ・ルバーリン社の後身であるLSC&P社所属のタイプフェイス・デザイン会社であり、書体の販売のほか、書体デザイン、ロゴタイプ、トレードマーク、映画タイトル、ディスプレイからパッケージングまでデザインし、タイポグラフィや書体、レイアウト、デザインのアドバイスまで行う、当時としては世界唯一の存在と言われていました。
「アヴァンギャルド・ゴシック」は『アヴァンギャルド』誌のタイトルロゴとして考案され、ITC社の「今月のタイプフェイス」の第一回として発表されました。
また、その季刊誌「Upper & Lower Case (U&LC)」において、ルバーリンはアートディレクターとエディターを兼任し、ときにはライターとして多くの記事を執筆しており、優れたジャーナリストとしての一面も見受けられます。 約8万人の読者を抱えたこのフリーペーパーは、ルバーリン自身にとっても大変重要なデザイン・プロジェクトであり、日本では日本タイポグラフィ協会を通じて配布されました。
「Herb Lubalin Exhibition」
会期:2005年8月25日(木)-9月13日(火)
会場:switch point (東京・国分寺) 東京都国分寺市本町4-12-4 1F 12:00-19:00 (水曜休廊)
企画/主催:switch point, (有)クワノトレーディング
|