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switch point 企画展 ライトハウスlighthouse vol.4 

利部志穂展

 

彫刻、何処でもない場所のカケラ
Sculpture , a fragment in the place that there is nowhere

「彫刻、 何処でもない場所のカケラ」 と題して行われる本企画では、 第2回に利部志穂を迎えて個展が開催されます。 現代において芸術とは、固有のジャンルがより拡散していく傾向にあり、 絵画、 彫刻といった定義はますます曖昧になっています。 むしろそれらの概念は、 今や意味を失効し、 何ものをも意味しえないともいえるかもしれません。 そのような各ジャンル間の脱境界化という状況にありながらも、 本企画においてはあえて彫刻への問いかけがなされます。 固有の場や意味といった、 伝統的な彫刻がもちえた要素を次々と喪失し、 断片化されていった彫刻。 そのような、 まさしくカケラと化しながらも無名の場所において立ち現われてくるのは、 彫刻という名の亡霊かもしれません。 この 「彫刻のようなもの」 としか言いようのない現象について、 先鋭的な活動をしている作家の作品を通して考察することは、 必ずや私たちを彫刻の 「源−点」 へと導くことになるでしょう。

利部志穂は、 これまで廃材を解体−再構築する手法を用い、 鉄パイプや木材をグリット状に構成することで、 きわめて建築的要素の強い作品を制作してきました。 今夏に行われた 「所沢ビエンナーレ美術展 『引込線』 」 で発表された 《281/昼夜》 (2009)は、 引込線の線路に沿いながら全長が85mにも伸長された巨大な立体作品でしたが、 そこで作家に強く意識されたのは、 これまでいくどか言及されてきた 「通過」の概念でした。 本展においては、 作家によって日常的になされる無目的的な街の徘徊により廃材と出会う探索行為と、 鑑者の鑑賞行為としての歩行が生み出す持続的な体験が重なりあうことで、 視覚だけではない物質に対する身体的な認識のありようが問われることとなります。 彫刻をつくることに常に自覚的な利部によって変質される展示空間は、 「彫刻のわからなさ」 に起因する彫刻のある見方を提示する可能性を秘めているといえます。

森 啓輔(本展企画者)

 

利部志穂 (かがぶ・しほ) 略歴

1981 神奈川県生まれ
2004 文化女子大学立体造形コース卒業
2005 多摩美術大学美術学部彫刻学科研究生
2007 多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了

個展

2006 「掻く公転」space 1/3(東京)
  「スーパーマーケットドローイング」スーパーAlpus(東京)
2007  「フォント 〜で日を見る」なびす画廊(東京)
「家を持ち替える」旧作家住居の解体場所(神奈川)
2008  「家を持ち替える」表参道画廊(東京)
  「新世代への視点─画廊からの発言」なびす画廊(東京)
2009 「ENTRANS FIELD ─耕せる民─」なびす画廊(東京)

グループ展

2004
「八王子市・多摩美術大学共催 多摩美術大学彫刻展」いちょうホール(東京)
  「PLASTICARTEXHIBITION」多摩美術大学彫刻棟ギャラリー(東京)

「卒業・修了制作展」多摩美術大学塑像棟(東京)
2005 「動物公園美術展 どうぶつ立体図鑑」東京都多摩動物公園(東京)
「絵画・彫刻 立体合同展」多摩美術大学絵画北棟ギャラリー(東京)
「GARDENS」多摩美術大学彫刻棟ギャラリー(東京)
  「Department SCULPTURE 2005」多摩美術大学彫刻棟ギャラリー(東京)
2006 「横浜の森美術展」横浜の森公園予定地(神奈川)
  「重たいこと〈建築大室佑介・彫刻利部志穂 2人展〉」多摩美術大学彫刻棟ギャラリー(東京)
  「GARDENS 放射状の視点」イイオギャラリー(東京) 
  「アートプログラム青梅 緑化する感覚 次世代の作家たちの変革」青梅市街(東京)
2007 「卒業・修了制作展」多摩美術大学諸材料棟(東京)
  「五美術大学 卒業修了展」東京都美術館(東京)
  「〈Explosion〉 Artist in Studio2007 5-6月期オープンプログラム」BANKART NYK(神奈川)
  「甑島で、つくる。」甑島(鹿児島)
  「アンデポンタン展」和光大学(東京)
2008 「サスティナブルアートプロジェクト〈事の縁〉」旧坂本小学校(東京)
2009 「DE MYSTICA 第2回展 "アート" 全盛期における"美術"」なびす画廊(東京)
  「第1回所沢ビエンナーレ美術展 ─引込線─ 」西武鉄道旧所沢車両工場(埼玉)

ワークショップ

2006 「子供とまつり」─大地の芸術祭─越後妻有アートトリエンナーレ2006(新潟)
2009 「ゴミと呼ぶまで/人とものとの時間を計る」第1回所沢ビエンナーレ美術展 ─引込線─(埼玉)

森啓輔 (もり・けいすけ) 略歴

1978 三重県生まれ
2001 早稲田大学人間科学部人間健康学科卒業
  出版社での営業職を経て
2009 武蔵野美術大学大学院芸術文化政策コース修了
  現在 武蔵野美術大学芸術文化学科助手


開催情報

ライトハウスlighthouse vol.4 森 啓輔 企画 vol.2 彫刻、何処でもない場所のカケラ
利部志穂「serendipity」妙のとき

会期: 2009年12月3日(木)~12月13日(日)
12月9日(水)お休み
レセプション 12月5日(土)18:00から

 

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